〈雑記〉君たちはどう生きるか

はじめに

『君たちはどう生きるか』というタイトルを見て正直に思ったことは「あまりこの映画を見に行きたくないなぁ」ということである。

だってふつうに考えてほしいのだが、リアルで82歳の老人が「君たちはどう生きるか?」と問いかけてきたらめんどくさくて仕方ないと思う。

そんな説教くさいことを2時間近くも劇場で観るなんてことは、昨今の値上がりした映画の料金を考えればコスパもタイパもあったもんじゃない。

しかし自分はジブリ信者。

宗教上の理由により観に行く以外の選択肢はなかったのである。


観た感想

「なんだったんだこの映画は?」というのが素直な感想だった。

そもそも広告が鳥人間のポスター1枚だったので、どのような話だったとしても驚かないつもりではいたんだけれども、その覚悟はあまりにも足りなかった。

まさか『君たちはどう生きるか』というタイトルで『僕はこう生きた』という映画を作るとは思いもしなかった。そんなことを宮崎駿監督がするとも思ってもいなかった。

はっきり言って、一つのファンタジー作品・エンタメ映画として観たらまったくおもしろくない映画だったと思う。手放しに「この作品は最高だ!ジブリ史上最高の傑作!」なんて言うヒトがいたらそんなヒトは信用してはいけない(他のジブリ作品の方がぜったいにおもしろい)。

しかしながら「宮崎駿監督」が「自分の人生を振り返って」作った「自伝的ファンタジー」というところにエモい感情がフツフツと湧き上がってくる作品であった。


さらに感想

これから観に行くヒトがもしいたら、Wikipediaで宮崎駿監督の生い立ちを読んでから観に行った方がいいと思う。だいぶ受け止め方が変わるからだ。

冒頭にも書いたが昨今の映画の料金は高い。同じ料金を払って観るのであればもっと単純におもしろい作品を観に行く方がいいのかもしれない。

ただしこの映画は「自伝的ファンタジー」ゆえにタイムリミットがあるように感じる。

ジブリ信者としてこんなことは本当に書きたくないのだが、ご高齢の宮崎駿監督にもし何かがあった後に観てしまっては、まったくちがう受け止め方になってしまうように思う。


もの作りに少しでも関わる人間が最後に残す作品ってなんだろう?アニメ、小説、漫画、デザイン、建築・・ プロでもアマでもなんでもいいんだけども。そんなことを考えてみたら、やはり自分の人生を振り返ってしまうのではないのだろうかと、いまからそんな先のことを心配させられてしまったのである。



最後に



まだまだ宮崎駿監督の次回作をお待ちしております。